社内研修は外部講師か内製か?人事担当者が知るべき判断基準と費用 - 「Hitonova」(ヒトノバ) - 講演依頼・研修依頼・講演会の講師派遣

Special 社内研修は外部講師か内製か?人事担当者が知るべき判断基準と費用

「研修を実施しても、現場の行動がなかなか変わらない」「外部講師に依頼したいけれど、本当に費用対効果が得られるのか不安」「自社で内製しようにも、専門性のある講師がいないし、準備に割く時間もない」――人事担当者の方であれば、このような悩みは尽きないのではないでしょうか。

限られた予算と時間の中で、いかに研修の効果を最大化し、受講者の成長、ひいては組織全体の成果へと結びつけるかは、人事担当者にとって常に大きな課題です。特に、社内研修を「外部講師に依頼する」のか、それとも「社内講師による内製で実施する」のかは、研修の成否を分ける重要な意思決定となります。

この記事では、そのような悩みを抱える人事担当者の皆様に向けて、外部講師と内製、それぞれのメリット・デメリットを徹底的に比較し、自社の状況に合わせた最適な選択をするための具体的な判断基準を詳しく解説します。本記事を読み終える頃には、研修の目的、受講者の特性、そして予算といった多様な要因を考慮し、貴社にとって最も効果的な研修体制を構築するための明確な道筋が見えていることでしょう。ぜひ、貴社の研修課題を解決し、人材育成を成功させるためのヒントを見つけてください。

社内研修の講師、外部と内製どちらを選ぶべき?人事担当者のよくある悩み

社内研修

人事・研修ご担当者の皆様は、日々の業務の中でさまざまな葛藤を抱えていらっしゃることと思います。特に、人材育成の要となる社内研修においては、「いかに効果的な研修を実施するか」という命題のもと、多くの悩みに直面されているのではないでしょうか。

例えば、研修を実施したものの、受講者の現場での行動変容が見られず、「研修のための研修」になってしまっていると感じることはありませんか。外部講師に依頼すれば、専門性や新しい知見は期待できるものの、その高額な費用に見合った効果が得られるのか、投資対効果(ROI)が見えにくいことに不安を感じるかもしれません。

一方で、コストを抑えるために内製化を検討しても、「講師を任せられるだけのスキルを持った人材が社内にいない」「通常業務と並行して研修コンテンツを作成し、講師を務める時間がない」といった現実的な壁にぶつかることもあるでしょう。これらの悩みは、多くの企業で共通する課題であり、人事担当者の皆様が常に模索し続けているテーマです。本記事が、これらの課題に対する具体的な解決策を見つける一助となれば幸いです。

一目でわかる!社内研修における外部講師と内製(社内講師)の徹底比較

社内研修

社内研修の講師を外部に依頼するか、それとも社内講師による内製で行うかは、研修の目的や企業の状況によって最適な選択が異なります。このセクションでは、それぞれの選択肢が持つ特徴を、読者の皆様が一目で直感的に理解できるよう、比較表を用いてまとめました。

品質・専門性、コスト、準備の手間、カスタマイズ性、そして受講者の反応といった多角的な視点から、それぞれのメリット・デメリットを簡潔に示しています。この比較表は、本記事で詳しく解説する内容の全体像を把握するための導入としてご活用いただけます。ぜひ、貴社の研修計画を検討する際の参考としてご覧ください。

比較項目外部講師内製(社内講師)
品質・専門性高(最新知識・客観的視点)中〜高(実務直結・企業文化理解)
コスト高(講師料・交通費など)低〜中(準備工数=見えないコストに注意)
準備の手間低(企画・調整が中心)高(教材作成・講師育成が必要)
カスタマイズ性中〜高(事前すり合わせ次第)高(自社事情に完全フィット)
受講者の反応高(非日常感・刺激)中〜高(共感・実用性)

結論:迷ったらこの判断でOK(30秒診断)
・最新テーマ・意識改革 → 外部講師
・社内ルール・業務手順 → 内製
・両方必要 → ハイブリッド(外部×社内)
次章の「4つの判断基準」で、より精密に自社に当てはめます。

外部講師に依頼するメリット・デメリット

社内研修を外部講師に依頼することには、多くのメリットがある一方で、いくつか考慮すべきデメリットも存在します。このセクションでは、外部講師の活用によって得られる恩恵と、注意すべき点について概要を説明します。具体的には、外部の専門性を取り入れられることによるメリットや、人事担当者の負担が軽減される点、そして受講者の学習意欲が高まることなどが挙げられます。一方で、費用面での考慮事項や、自社の文化や実務との間にミスマッチが生じる可能性といったデメリットも存在します。

これらのメリットとデメリットを深く理解することは、自社にとって最適な研修方法を選択するために不可欠です。次の各セクションでは、それぞれの項目についてより詳しく掘り下げて解説していきます。

メリット:専門知識の習得と客観的な視点の獲得

外部講師を招く最大のメリットの一つは、社内では得られない高度な専門知識や最新のトレンドを習得できる点にあります。例えば、目まぐるしく進化するDX(デジタルトランスフォーメーション)やAI活用、あるいは最新のマーケティング手法や法改正への対応など、専門性が高く常にアップデートが求められる分野の研修において、外部の専門家は非常に有効です。社内のリソースだけでは追いつかない情報を、その道のプロから直接学ぶことで、従業員は時代の変化に対応したスキルを効率的に身につけることができます。

また、外部講師は社内の慣習や「当たり前」にとらわれず、客観的な視点から組織や個人の課題を指摘し、新たな気づきをもたらしてくれます。長年同じ環境にいると見過ごしがちな問題点や、改善の余地があるプロセスなどに対し、第三者の冷静な視点が加わることで、組織変革のきっかけとなることも少なくありません。例えば、「いつも同じ部署間で情報共有が滞る」といった課題に対し、外部講師がワークショップを通じて異なる部署のメンバー間のコミュニケーション課題を浮き彫りにし、具体的な解決策を導き出すようなケースも期待できます。

このように、外部講師は単に知識を伝達するだけでなく、社内の閉塞感を打ち破り、組織全体に新しい風を吹き込む触媒としての役割も担うことができます。特に、企業文化の変革を促したい場合や、従業員の意識改革を目指す研修においては、その客観性と専門性が大きな強みとなるでしょう。

メリット:研修準備における人事担当者の負担軽減

人事担当者にとって、研修の企画・運営は多大な時間と労力を要する業務です。特に、研修内容の企画から教材作成、講師の手配、会場の準備、さらには受講者の募集や出欠管理といった一連のプロセスは、通常業務と並行して行うには大きな負担となります。外部講師に研修を依頼する場合、これらの煩雑な業務の多くを委託できるため、人事担当者の工数を大幅に削減できるというメリットがあります。

例えば、外部の研修会社に依頼すれば、研修プログラムの設計から、それに伴う教材の開発、講師の日程調整、会場手配のアドバイスまで、一貫してサポートを受けられることがほとんどです。これにより、人事担当者は膨大な事務作業から解放され、本来注力すべき「研修の目的設定」や「受講者選定」「研修後のフォローアップ体制の構築」といった、より戦略的な業務に集中できるようになります。これは、限られた人員で多くの業務をこなす人事部にとって、非常に大きな助けとなるでしょう。

研修の準備・運営にかかる負担が軽減されることで、人事担当者は研修の質を高めるための検討や、研修後の効果測定、さらには受講者の成長を継続的に支援するための施策立案により多くの時間を割けるようになります。結果として、研修効果の最大化につながるだけでなく、人事部全体の生産性向上にも貢献すると言えるでしょう。

メリット:受講者のモチベーション向上と緊張感の醸成

外部のプロフェッショナルから学ぶ機会は、受講者にとって非常に新鮮で、学習意欲の向上に大きく貢献します。社内の人間が講師を務める場合、良くも悪くも「いつものメンバー」という意識が働き、慣れ合いからくる緊張感の欠如や、遠慮が生じやすい場合があります。しかし、外部講師の場合、「その分野の第一人者から直接学べる」という非日常的な体験が、受講者の中に適度な緊張感と期待感を醸成します。

この適度な緊張感は、受講者が研修内容に集中し、積極的に学ぶ姿勢を引き出す効果があります。普段の業務から離れ、外部の専門家による刺激的な講義やワークショップに参加することで、「何か新しいものを吸収したい」「プロの思考法を盗みたい」といった前向きなモチベーションが働きやすくなります。結果として、研修内容への理解度が深まり、単なる座学に終わらない、実践的な学びへとつながることが期待できるでしょう。

デメリット:高額になりがちな費用と予算の壁

外部講師に研修を依頼する際の最大のデメリットの一つは、費用が高額になりやすい点です。専門性や知名度によって大きく異なりますが、一般的な講師料の相場は、半日の研修で20万円から、1日の研修であれば30万円から100万円以上となることも珍しくありません。特に、著名なコンサルタントや特定の分野で実績のある講師の場合、さらに高額になる傾向があります。

講師料だけでなく、実際には他にも様々な費用が発生します。例えば、講師の交通費や宿泊費、研修で使用するテキストや資料の印刷費、必要に応じてコンテンツを自社の状況に合わせてカスタマイズする際の追加費用などが挙げられます。オンライン研修の場合でも、配信プラットフォームの利用料や通信環境の整備費用がかかることがあります。これらの諸費用を合計すると、研修全体にかかるコストは想像以上に膨らむ可能性があります。

限られた予算の中で、経営層を説得し、これらの高額な費用を承認してもらうことは、人事担当者にとって大きな課題となるでしょう。研修の費用対効果を明確に示し、投資としての価値を説明する力が求められます。単に「良い研修だから」という理由だけでは、予算の壁を乗り越えることは難しいのが現実です。

デメリット:企業文化や実務とのミスマッチが起こる可能性

外部講師は幅広い企業に知見を提供している一方で、自社の特定の企業文化、業界の特殊性、あるいは日常の実務プロセスに対する理解が不足している場合があります。この理解不足が、研修内容と自社の実情とのミスマッチを引き起こす原因となることがあります。研修で学んだ一般的な理論や成功法則は素晴らしいものの、「話は面白かったが、結局自社の業務にはどう活かせばいいか分からない」という声が受講者から上がってしまう失敗例は少なくありません。

特に、業界独自の専門用語、社内特有の業務フロー、あるいは長年培われてきた企業文化を講師が把握していない場合、受講者は研修内容を自分事として捉えにくくなります。例えば、特定の製造業において「顧客対応」の研修を行う際、一般的なサービス業の事例ばかりが紹介され、自社の複雑な製品知識を前提とした顧客折衝の具体的なシミュレーションが不足していると、受講者は物足りなさを感じてしまうでしょう。

このようなミスマッチを防ぐためには、研修を依頼する側が自社の課題や状況を講師に詳細に伝え、研修内容へのカスタマイズを積極的に働きかけることが極めて重要です。事前の綿密なすり合わせを怠ると、せっかくの時間と費用を投じたにもかかわらず、期待した研修効果が得られないという残念な結果につながるリスクがあることを認識しておく必要があります。

内製(社内講師)で実施するメリット・デメリット

社内講師による研修、つまり内製で研修を実施することは、外部講師に依頼するのとは異なる独自のメリットとデメリットがあります。このセクションでは、内製研修を選択する際に人事担当者の皆様が考慮すべき主要な側面を掘り下げていきます。具体的には、コスト面での利点や研修内容の柔軟性、そして自社の実情に即した実践性の高さといったメリットに加え、講師となる社員への負担や研修の質の確保といったデメリットについて、次項以降で詳しくご説明いたします。

メリット:コストを抑え、柔軟な日程調整が可能

内製研修の大きなメリットの一つは、外部講師に支払う高額な講師料が発生しないため、直接的な研修費用を大幅に削減できる点にあります。限られた研修予算の中で最大限の効果を出したいと考える人事担当者様にとって、このコスト削減は非常に魅力的でしょう。しかし、内製研修には「見えないコスト」も存在することも理解しておく必要があります。

また、社内講師は自社の従業員であるため、研修日程の調整が非常に柔軟に行えることも大きなメリットです。例えば、繁忙期を避けて設定したり、急な業務都合で変更が必要になった際にも、社内の状況を把握しているためスムーズに対応できます。受講者の業務状況に合わせて細かく日程を調整できるため、参加率の向上や業務への支障を最小限に抑える効果も期待できます。

メリット:自社の実情に即した、具体的で実践的な内容

内製研修の最大の強みは、その内容が自社の実情にきわめて即している点にあります。社内講師は、自社の事業内容、製品・サービス、企業文化、そして特有の専門用語や業務フローを深く理解しています。そのため、研修で提供される情報は、受講者が日々の業務で直面する具体的な課題に直接結びつく「生きた知識」として機能します。

例えば、「このシステムのエラーは、こういう手順で解決できる」「あのお客様には、この提案が効果的だった」といった、現場で実際に起こった成功事例や失敗談を交えながら指導できるため、受講者は抽象的な知識ではなく、すぐに実務に応用できる具体的なノウハウを習得できます。外部講師ではなかなか伝えきれない、企業独自の暗黙知や過去の経緯なども共有できるため、受講者にとって納得感が高く、実践への意欲を高めることにもつながります。

メリット:社内講師の育成とナレッジの蓄積

研修を内製化することは、単なるコスト削減に留まらず、組織全体の能力向上という長期的なメリットをもたらします。研修の講師役を務める社員は、自身の知識や経験を体系的に整理し、それを他者に分かりやすく伝えるというプロセスを通じて、自身のスキルを大きく向上させます。この経験は、将来のリーダー候補や管理職としての育成にもつながり、組織全体のパフォーマンス向上に貢献するでしょう。

さらに、研修のために作成された資料、ワークシート、指導ノウハウなどが、企業の貴重な無形資産として社内に蓄積されます。これは、一度きりの研修で終わらず、将来的な研修の企画・運営に再活用できる財産となります。ナレッジが属人化せずに組織内で共有されることで、継続的な学習文化が醸成され、組織全体の学習能力が高まるという好循環を生み出します。

デメリット:講師役の社員への大きな負担

内製研修の実施は、講師役となる社員に想像以上の大きな負担をかける可能性があります。通常の業務と兼任しながら、研修資料の作成、スライドの準備、話す内容のリハーサル、当日の進行シミュレーションなど、膨大な準備時間を確保しなければなりません。これは、単に数時間で終わる作業ではなく、数十時間、場合によってはそれ以上の時間を要することも珍しくありません。

この過度な負担は、講師役の社員自身の通常業務に支障をきたすだけでなく、疲弊により研修の質の低下にもつながるリスクをはらんでいます。また、もし講師役への適切な評価制度やサポート体制がなければ、モチベーションの低下を招き、次世代の社内講師が育ちにくい環境を生み出してしまう可能性もあります。人事担当者様は、講師役となる社員への負担を軽減し、その努力を正当に評価する仕組みを構築することが非常に重要です。

デメリット:専門性や指導スキルの不足による質の低下リスク

社内講師は、業務知識こそ豊富であるものの、「人に教える」という専門的なスキルや訓練を受けていない場合が少なくありません。そのため、話が一方的になってしまったり、内容が分かりにくかったり、受講者の疑問にうまく答えられなかったりするケースが発生する可能性があります。業務のプロフェッショナルであることと、教えるプロフェッショナルであることは、必ずしもイコールではないのです。

このような状況では、受講者からの信頼を得ることが難しくなり、せっかくの研修が「内輪のお勉強会」で終わってしまうこともあります。「話は面白かったが、結局何を学んだのか分からない」「業務とどうつながるのかイメージできない」といった感想が聞かれるようでは、期待した研修効果は得られません。結果として、時間とリソースをかけたにもかかわらず、社員の成長や組織の課題解決にはつながらないという失敗に終わるリスクが潜んでいます。

【これで迷わない】外部講師か内製かを決める4つの判断基準

社内研修

これまで外部講師と内製(社内講師)のメリット・デメリットを詳しく見てきました。どちらにも一長一短があり、自社にとって最適な選択は状況によって異なります。このセクションでは、人事担当者の皆さまが自社の状況に合わせて最適な選択ができるよう、「研修の目的と内容」「受講者の階層や人数」「費用と予算」「社内リソース」という4つの具体的な判断基準を解説します。

これらのフレームワークを活用することで、自社の研修計画を整理し、より効果的な人材育成につながる意思決定ができるようになるでしょう。

基準1:研修の「目的」と「内容」

研修の実施方法を検討する際、最も重要となるのが「研修で何を達成したいのか」という目的と、その目的に沿った「研修の内容」です。どのような知識やスキルを身につけさせたいのか、受講者にどのような行動変容を促したいのか、といった「What(何を)」が明確になることで、その研修に最適な講師は「Who(誰が)」なのかが見えてきます。

この後のセクションでは、研修の目的と内容によって、外部講師と内製のどちらが適しているのかを具体的なケースを交えながら解説していきます。

外部講師が適しているケース(専門性、最新トレンド、マインドセット変革など)

社内に知見が少ない、あるいは変化の速い分野の研修には、外部講師の招聘が特に有効です。例えば、AI活用、データサイエンス、法務・会計といった高度な専門知識を要する分野では、社内にその道のプロフェッショナルがいない場合がほとんどです。外部講師は専門分野の深い知識と豊富な経験を持つため、受講者は質の高い情報を効率的に学ぶことができます。

また、人的資本経営、サステナビリティ、最新デジタルマーケティングなど、社会や業界の動きに合わせて常にアップデートされる最新トレンドも外部講師から学ぶのが効果的です。社内だけではキャッチアップが難しい情報を、その道の専門家から直接聞くことで、受講者の視野が広がり、新たな視点や気づきを得ることができます。

さらに、役員や管理職のマインドセット変革、リーダーシップ開発、コーチングといったテーマも外部講師が適しています。社内の「当たり前」にとらわれず、客観的な視点から組織の課題を浮き彫りにし、変革を促す役割を外部講師が担うことで、受講者に新たな刺激と緊張感を与え、深い内省と行動変容を促すことにつながります。

内製が適しているケース(企業理念、業務ルール、社内システム操作など)

一方で、自社の独自性が強く、社内の人間でなければ伝えられない内容の研修は、内製が最も適しています。例えば、企業理念やビジョンの浸透、行動指針の共有といったテーマは、社内の人間が自身の言葉で語りかけることで、より深く受講者の心に響き、共感を促すことができます。

また、就業規則、コンプライアンス、情報セキュリティといった社内固有のルールや、自社で利用している基幹システムやツールの操作方法なども内製が効果的です。これらの内容は、外部講師には知り得ない、日々の業務に直結する具体的な情報や注意点が多く含まれるため、社内講師が実務での経験を交えながら教えることで、受講者はスムーズに理解し、すぐに実務へ活かすことができるでしょう。

OJTの一環としての実践的な業務ノウハウの伝達も、内製研修の得意分野です。現場の成功事例や失敗談、特定の顧客に対する対応方法など、社内の人間だからこそ共有できる「生きた知識」は、受講者にとって最も価値のある情報となります。社内講師はこれらの情報を、受講者の疑問に即座に答えながら、きめ細やかに伝えることができます。

基準2:対象となる「受講者」の階層や人数

研修の対象となる受講者の役職や階層、そして研修の規模も、外部講師か内製かを判断する上で重要な要素です。例えば、新入社員研修の場合、一般的なビジネスマナーや社会人としての基礎は外部講師に依頼し、企業理念や社内ルール、業務の流れといった会社独自の理解を深める部分は社内講師が担当するというハイブリッド型が有効なケースが多く見られます。

次世代リーダーや経営幹部候補の育成では、外部の専門家や高い視座を持つ講師から刺激を受けることが、受講者の意識変革や視野拡大につながります。社内の人間関係に囚われず、客観的なフィードバックや高度な思考法を学ぶ機会として、外部講師は非常に価値があります。

また、大規模な研修を実施する際は、研修運営の実績が豊富な外部の研修会社に委託する方が効率的である場合があります。会場手配から教材準備、当日の運営までを一括して任せることで、人事担当者の負担を大幅に軽減しつつ、スムーズな研修実施が期待できます。

基準3:「費用」と「予算」

研修の実施を検討する上で、費用と予算は避けて通れない現実的な制約です。外部講師と内製のどちらを選ぶかは、単純に金額の大小だけで判断すべきではありません。その費用が単なる「コスト(消費)」として終わるのか、それとも「投資(将来のリターン)」として企業価値を高めるものになるのかを見極める視点が重要になります。

この後のセクションでは、外部講師に依頼する際の費用相場とその内訳、内製研修に潜む「見えないコスト」、そして費用対効果(ROI)という観点から、どのように判断すべきかを詳しく解説していきます。

外部講師の費用相場と内訳(講師料、交通費、教材費など)

外部講師に研修を依頼する際の費用は、講師の知名度や専門性、研修内容、実施時間によって大きく変動します。一般的には研修テーマ・講師の実績・カスタマイズ範囲で変動しますが、目安としては半日で20〜50万円、1日で30〜100万円程度がレンジになりやすいです。著名な経営者やコンサルタント、特定の専門分野の第一人者となると、さらに高額になることもあります。

講師料以外にも、注意すべき費用項目がいくつかあります。まず、講師の居住地によっては、交通費や宿泊費が発生します。また、研修で使用するテキストやワークブックなどの教材費も見積もりに含まれることが多いです。さらに、自社の特定の課題に合わせて研修内容をカスタマイズしてもらう場合には、追加の企画費やコンテンツ開発費が発生することもあります。オンライン研修の場合でも、使用する配信プラットフォームの利用料や機材費用などがかかるケースもありますので、見積もりを取得する際には、これらの内訳を明確に確認することが、予算計画を立てる上で非常に重要です。

内製の「見えないコスト」(講師の人件費、準備時間)

内製研修は外部講師への支払いがないため、「無料」や「安価」であると考えられがちです。しかし、実際には多くの「見えないコスト」が発生していることを認識しておく必要があります。最も大きな見えないコストは、講師役を務める社員の人件費です。

研修資料の作成、コンテンツの企画、ロールプレイングなどの準備、さらにはリハーサルや当日の研修実施時間を含めると、講師一人あたり数十時間から数百時間もの工数がかかることは珍しくありません。例えば、時給3,000円の社員が研修準備に20時間、研修実施に8時間費やしたとすると、それだけで84,000円の人件費が研修にかかっていることになります。これは、その社員が本来の業務に充てるべき時間であり、その間、本来の業務が停滞したり、他の社員の負担が増えたりする「機会費用」が発生しているとも言えるでしょう。

また、教材の開発費や印刷費、会場の設営費、研修後のアンケート集計や分析にかかる時間なども、すべて内製研修の見えないコストとして計上すべき項目です。これらの費用を正しく認識し、外部講師に依頼した場合と比較することで、真の意味でのコストパフォーマンスを判断できます。

費用対効果(ROI)で判断する視点

人事担当者として研修の予算を確保する際、経営層にその費用対効果(Return on Investment:ROI)を説明できることは非常に重要です。研修にかかった総費用に対して、どれだけの「リターン(成果)」があったのかを測定し、長期的な視点で評価することで、研修を単なるコストではなく、企業成長への「投資」として位置づけることができます。

リターンの例としては、研修によって得られたスキルや知識が、結果として「生産性の向上(業務時間の短縮やエラー削減)」「営業成績の向上」「顧客満足度の向上」「従業員満足度の向上による離職率の低下」などにつながることが挙げられます。これらの定性的な成果を、可能な限り金額に換算して評価する視点を持つことが求められます。

例えば、研修によって社員一人あたりの業務効率が5%向上し、それが年間でどれだけのコスト削減や売上増加に繋がるかを試算する、といった具体的なアプローチです。短期的なコストの安さだけで内製を選ぶのではなく、長期的に見て企業にもたらされる価値や成果を最大化するために、外部講師への投資も視野に入れることが、経営層を納得させる鍵となります。

例:研修ROIの考え方は「(研修で増えた利益 − 研修コスト)÷ 研修コスト」です。まずは“測れるKPI”として、提案件数・ミス件数・離職率など、研修テーマと直結する指標を1つ決めると進めやすくなります。

基準4:準備・運営にかかる「社内リソース」

研修の実施方法を決定する際、人事担当者自身のマンパワーや、研修の企画・運営に協力してくれる社内リソースの状況も重要な判断基準となります。研修の企画立案、講師の選定と交渉、教材の作成、日程調整、会場手配、受講者への連絡、当日の運営、そして研修後の効果測定やフォローアップまで、一連のプロセスには多大な時間と労力が必要です。

特に、人事担当者が一人でこれらの業務を担っていたり、他の重要な業務と兼任していたりする場合、全てのプロセスを高い品質で実行することは現実的に困難なケースが多く見られます。リソースが限られている中で無理に内製化を進めると、担当者の負担が過剰になり、結果として研修の質が低下したり、本来の業務に支障が出たりするリスクがあります。

このような状況では、企画段階から運営までを一括してサポートしてくれる外部の研修会社やコンサルタントを活用することが、賢明な選択となるでしょう。外部の専門家に委託することで、人事担当者は「研修目的の明確化」や「研修効果の最大化」といった戦略的な業務に集中でき、限られたリソースの中でも質の高い研修を実現し、最終的には組織全体のパフォーマンス向上につなげることが可能になります。

研修効果を最大化する!失敗しないためのポイント

社内研修

これまで、外部講師と内製(社内講師)それぞれのメリット・デメリット、そして最適な選択をするための4つの判断基準について解説してきました。ここからは、いざ「外部講師に依頼する」あるいは「内製で実施する」と決めた際に、研修効果を最大限に引き出し、失敗を避けるための具体的なノウハウをご紹介します。

単にどちらかを選ぶだけでなく、選んだ方法を成功へと導く実践的なアクションが不可欠です。このセクションでご紹介する具体的なポイントを押さえることで、貴社の人材育成をさらに前進させることができるでしょう。

外部講師に依頼する場合の成功の秘訣

外部講師に研修を依頼する際、重要なのは「丸投げ」にしないことです。外部講師はあくまでも専門家であり、貴社の課題や文化を最も深く理解しているのは貴社自身です。講師を単なる「教える人」としてではなく、共に研修を創り上げていく「パートナー」として捉える視点が、成功への第一歩となります。

この意識を持つことで、講師選定の段階から目的共有、事前の打ち合わせに至るまで、より主体的に関わることができ、結果として貴社にとって最適な、実践的で効果的な研修が実現します。以降のセクションでは、具体的な講師の選び方から、目的共有、そして事前打ち合わせの重要性について詳しく見ていきましょう。

失敗しない外部講師・研修会社の選び方5つのチェックリスト

外部講師や研修会社を選定する際に「失敗したくない」というお気持ちはよくわかります。ここでは、研修の目的を達成するために、必ず確認すべき5つのチェックリストをご紹介します。

実績と専門性:同業界・同規模の実績/事例
カスタマイズの柔軟性:課題に踏み込んだ提案があるか
研修後フォロー:定着支援・効果測定の提案有無
担当者との相性:対応品質・コミュニケーション
費用と提供価値:内訳明確/価値と釣り合うか

外部講師とのミスマッチを防ぎ、研修を成功させるために最も重要なのは、研修の目的とゴールを明確に共有し、それに基づいて研修内容をカスタマイズすることです。研修を依頼する側が「なぜこの研修を行うのか」という背景、「受講者に研修後どうなってほしいのか」という具体的なゴール、そして「現在、どのような課題があるのか」を講師に具体的に言語化して伝える必要があります。

さらに、貴社で日常的に使われている専門用語や業界特有の表現、過去に実際に起こった成功事例や失敗談などを講師に提供することも非常に有効です。これらの情報を研修内容に盛り込んでもらうことで、受講者にとってよりリアルで実践的な学びの機会が生まれます。汎用的な内容に留まらず、貴社の「生きた」情報が加わることで、研修が「自分ごと」として捉えられ、現場での行動変容につながりやすくなるでしょう。

講師が貴社の実情を深く理解し、それに基づいた内容を提供できるよう、惜しみなく情報を提供し、密なコミュニケーションを取ることが成功の鍵となります。

依頼から実施までの流れと事前打ち合わせの重要性

外部講師への研修依頼は、一般的に「問い合わせ→ヒアリング→提案・見積もり→契約→事前打ち合わせ→実施→アフターフォロー」という流れで進みます。この中でも、特に「事前打ち合わせ」は研修の成否を大きく左右する重要なフェーズです。

事前打ち合わせでは、講師、人事担当者、そして可能であれば研修を受ける現場の受講者の上司(現場管理職など)も交えた三者での話し合いを持つことを強くおすすめします。この場を通じて、現場のリアルな課題感や、研修内容に対する期待値を共有し、講師と受講者側との認識を綿密にすり合わせることが可能になります。例えば、「現場では〇〇のケースが多く、それに対する具体的な対応策を知りたい」「受講者のモチベーションを高めるために、〇〇のようなエピソードを盛り込んでほしい」といった具体的な要望を伝えることで、講師もより効果的な研修プログラムを構築できます。

この事前打ち合わせを丁寧に行うことで、研修実施当日の「期待値とのずれ」を最小限に抑え、受講者にとって意義深く、実践に結びつく研修を実現できる確率が飛躍的に高まります。

内製で研修を成功させるコツ

内製で研修を実施する場合、コストを抑え、自社の実情に合った内容を提供できるという大きなメリットがある一方で、研修の質をいかに担保し、継続的に改善していくかという点が課題となります。単に社員に講師を任せるだけでは、期待する効果が得られない可能性もあります。

このセクションでは、内製研修を成功させるための具体的な方法論として、「講師の育成」と「質の高い研修を継続するための仕組みづくり」という2つの側面から、実践的なコツをご紹介します。これらのポイントを押さえることで、貴社の内製研修をより効果的なものへと進化させることができるでしょう。

社内講師の育成方法と必要なスキル

質の高い内製研修を実現するためには、講師役となる社員の育成が不可欠です。社内講師には、単なる業務知識の豊富さだけでなく、研修のゴールを設定し、内容を組み立てる「研修設計スキル」、受講者へ分かりやすく伝え、関心を引き出す「インストラクションスキル」、そして活発な議論を促す「ファシリテーションスキル」が求められます。

これらのスキルを習得させるためには、社内での勉強会や模擬研修を定期的に実施し、実践とフィードバックの機会を設けることが有効です。例えば、他の講師役社員の前で研修の一部を実演し、改善点を話し合うといった方法が考えられます。また、外部の「社内講師養成講座」に社員を派遣することも、体系的な知識と実践的なノウハウを効率的に習得させるための有効な選択肢となります。外部の専門家から「教え方」のプロフェッショナルな視点を学ぶことで、社内講師としての自信とスキルを大きく向上させることができるでしょう。

社内講師の育成は、研修の質の向上だけでなく、教える側の社員自身の成長にもつながり、結果として組織全体の能力向上に貢献します。

研修の質を担保する仕組みづくり(教材の標準化、フィードバック体制)

内製研修の質が個々の講師の能力に依存しすぎると、研修内容にばらつきが生じ、組織全体の教育水準が安定しないリスクがあります。これを防ぐためには、属人化を避け、組織として研修の質を担保するための仕組みづくりが不可欠です。

具体的な仕組みの一つとして、研修教材のテンプレート化や標準化を進めることが挙げられます。誰が講師を務めても、最低限の品質と内容が保たれるように、共通の資料やスライド、ワークシートなどを用意することで、研修の基礎品質を安定させることができます。また、社内講師同士がお互いの研修を見学し、良い点や改善点をフィードバックし合う制度を設けることも有効です。これにより、講師間のスキル向上だけでなく、ノウハウの共有や教材のブラッシュアップにもつながります。

さらに、研修後に受講者アンケートを定型化し、研修内容や講師に対する具体的なフィードバックを継続的に収集する体制を構築しましょう。このフィードバックを真摯に受け止め、研修内容や講師の指導方法の改善に活かすことで、内製研修の質を継続的に向上させることができます。これらの取り組みを通じて、内製研修を単発のイベントではなく、組織の学習文化を支える重要な仕組みへと発展させることが可能になります。

最適な組み合わせは?外部と内製のハイブリッド型研修という選択肢

社内研修

社内研修の企画において、「外部講師か、それとも内製か」という二者択一で悩む人事担当者の方も多いのではないでしょうか。しかし、どちらか一方を選ぶのではなく、それぞれのメリットを最大限に活かす「ハイブリッド型研修」という第三の選択肢が、いま注目を集めています。これは、外部講師の専門性と内製研修の実践性を組み合わせることで、より効果的で、かつ自社の実情に合った研修を実現するアプローチです。

ハイブリッド型研修には、いくつかの組み合わせパターンが考えられます。例えば、研修内容によって使い分ける方法です。ビジネスマナーや一般的なコミュニケーションスキルといった、幅広い業界で通用する汎用的なテーマは外部講師に依頼し、企業理念の浸透や社内システムの操作方法、自社製品の深い知識といった社内固有の内容は内製で実施します。これにより、外部の知見を取り入れつつ、自社に最適化された教育も同時に進めることができます。

また、学習形態を組み合わせる「ブレンディッド・ラーニング」も有効な手段です。基礎知識のインプットは外部講師が提供するeラーニングコンテンツで受講者に自己学習させ、その上で、社内講師がファシリテーターとなり、学んだ知識を実務に落とし込むためのワークショップや実践演習を実施します。このように、外部と内製が連携することで、受講者の学習効果を最大化し、研修運営の効率も高めることができるでしょう。

まとめ:自社の課題とゴールに最適な研修体制を構築しよう

社内研修

本記事では、社内研修の講師を外部に依頼するか、あるいは内製するかという、人事担当者の皆さまが直面する大きな課題について、多角的に解説してきました。外部講師には「専門性」や「客観的な視点」、そして人事担当者の「負担軽減」という大きなメリットがある一方で、費用やミスマッチのリスクも存在します。対する内製研修は、コストを抑え「自社の実情に即した実践的な内容」を提供できる反面、講師の負担や指導スキルのばらつきが課題となりがちです。

重要なのは、どちらか一方が絶対的に優れているわけではないという点です。それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自社の「研修の目的」と「達成したいゴール」を明確にすることが、最適な選択をするための第一歩となります。単に「コストが安いから内製」あるいは「専門的だから外部」といった安易な判断ではなく、研修を通して受講者にどのような行動変容を促し、組織としてどのような成果を生み出したいのかを深く掘り下げることが不可欠です。

この記事でご紹介した「目的と内容」「受講者」「費用」「社内リソース」という4つの判断基準は、そのための具体的なフレームワークとして活用いただけます。また、外部講師に依頼する場合、内製で実施する場合、さらにはハイブリッド型研修を選ぶ場合それぞれの成功の秘訣も解説しました。ぜひこれらの情報を参考に、まずは自社の研修課題を整理し、現状に最適な研修体制の構築に向けて具体的な一歩を踏み出してください。貴社の研修が、単なる知識の伝達に終わらず、現場の行動を変え、企業の成長に貢献する「生きた投資」となることを心から願っています。

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