Special 安全大会の講師の選び方|失敗しない3つのポイントと現場が変わる講演とは
まず全体の進め方は「安全大会の全体像」で確認できます。
労働災害防止は、企業にとって経営の根幹をなす重要な課題です。その対策の一環として多くの企業で開催されている安全大会は、従業員の安全意識を高め、現場の安全レベルを向上させるための重要な機会と言えるでしょう。しかし、形式的なイベントとして終わり、参加者の心に響かない、具体的な行動変容につながらないといった課題に直面している担当者の方も少なくありません。
こうした安全大会が「単なる年中行事」で終わってしまう失敗要因の多くは、講師選び(テーマとのミスマッチや設計不足)にあります。講演内容が現場の状況と乖離していたり、一方的な話に終始したりすることで、貴重な時間とコストを投じたにもかかわらず、期待する効果が得られないケースは後を絶ちません。結果として、現場の安全意識はなかなか向上せず、担当者は上司への説明に頭を悩ませる事態に陥ってしまいます。
この記事では、安全大会を真に意味のあるものにするために、参加者の心に深く響き、現場の行動変容を促すような価値ある講演を実現するための具体的な講師選定方法を詳しく解説します。抽象的な議論ではなく、実践的な視点から講師選びのポイントをご紹介しますので、この記事を読み終える頃には、あなたの安全大会が現場の安全レベルを大きく引き上げるための強力な一歩となることでしょう。
安全大会の講師選びで、こんなお悩みはありませんか?

安全大会の企画を担当されている皆さまは、日頃から現場の安全管理と大会運営のプレッシャーに直面されていることと存じます。特に講師選びにおいては、以下のような具体的なお悩みを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。
・講師の話が一般論や精神論に終始し、業種や現場課題と合わず関心を引けない
・当日は盛り上がっても、数日後に忘れられて行動が変わらない
・講演料に見合う成果を上司・経営層に説明できず、次年度予算が通りにくい
・労災事例やヒヤリハットを踏まえた実践を期待したが、講師の専門外で踏み込めない
このようなお悩みは、講師選びの段階で適切な判断基準がなかったり、自社の真のニーズと講師の提供する価値がずれていたりすることに起因することが少なくありません。もし一つでも「自分のことだ」と感じられたなら、この記事があなたの悩みを解決する一助となるはずです。
なぜ安全大会の「講師選び」が重要なのか

安全大会は、単なる年に一度の年中行事ではありません。それは、従業員の命と健康を守り、労働災害を未然に防ぐという企業の社会的責任を果たす上で、極めて重要な投資です。企業が安全に対する真摯な姿勢を示す場であり、従業員の安全意識を再構築し、現場の安全文化を醸成するための機会と言えるでしょう。この重要な大会の成否を左右する最大の要因こそが、「講師選び」なのです。
優れた講師は、参加者の安全に対するモチベーションを劇的に高め、具体的な行動変容へと導く力を持っています。例えば、自社の業種特性や具体的な事例を踏まえた講演は、「自分ごと」として受け止められやすく、危険予知能力の向上や安全手順の徹底といった具体的な行動につながります。このような講演は、従業員一人ひとりの安全意識を深めるだけでなく、組織全体の安全文化を確実に向上させ、結果として労働災害のリスクを低減させることにつながるのです。
一方で、講師選びに失敗した場合のリスクは計り知れません。内容が抽象的で現場の実情に合わない講演は、参加者にとって「退屈な時間」となり、貴重な業務時間を無駄にするだけでなく、費用も無駄になります。さらに悪いことに、『どうせ変わらない』という諦めを従業員の中に生み出し、安全に対する意識を低下させてしまう可能性すらあります。講師選びは、単なる講演者の選定ではなく、現場の安全レベルを左右する重要な経営判断であることを認識し、慎重に行う必要があるのです。
テーマ選びに迷う方は「人気テーマ一覧」も参考にしてください。
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安全大会の講師選びで失敗しないための3つのポイント

安全大会の企画担当者の方が直面する、講師選びに関する具体的なお悩みに共感いただけたでしょうか。講演が一般論で終わってしまったり、参加者の行動変容につながらなかったりといった課題の多くは、講師選定の段階で解決できます。本セクションでは、そうした課題を乗り越え、参加者の心に響き、現場の行動変容を促すような安全大会を実現するための、失敗しない講師選びのポイントを3つご紹介します。
「1. 目的とゴールを明確にする」「2. 講師の実績と専門性を確認する」「3. 講演内容が『現場で使えるか』を見極める」という3つの視点を持つことで、属人的な判断や曖昧な基準に頼ることなく、論理的かつ効果的な講師選定が可能になります。続くセクションで、これら各ポイントについて詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
ポイント1:目的とゴールを明確にする
失敗しない講師選びの第一歩は、安全大会の目的とゴールを具体的に設定することです。「安全意識を高める」といった漠然とした目的では、どのような講師を選べば良いか、講演内容に何を求めるべきかが不明瞭になってしまいます。例えば、「ヒヤリハット報告件数を前年比20%増加させる」や「新規導入した安全手順の遵守率を95%以上にする」といったように、定量的または定性的に測定可能なゴールを設定することが重要です。
このような具体的なゴールを設定することで、そのゴールを達成するために、参加者にはどのような知識やスキル、あるいはマインドセットが必要なのかを逆算して考えることができます。そして、その必要な要素を講師に求める要件として言語化し、講師選定の基準とします。たとえば、ヒヤリハット報告の増加が目的であれば、ヒューマンエラーの原因と対策に詳しい講師、あるいは心理的安全性の醸成について語れる講師が候補になるでしょう。新たな安全手順の遵守率向上が目的であれば、実践的な指導経験が豊富な講師や、行動変容を促すアプローチに長けた講師が適任です。
この目的設定は、講師選定だけでなく、大会後の効果測定を行う上でもブレない軸となります。具体的なゴールがあるからこそ、その達成度を評価でき、次年度以降の安全大会の企画にも活かすことができるのです。安全大会を単なる形式的なイベントで終わらせず、実効性のある取り組みにするためにも、この「目的とゴールの明確化」に時間をかけることを強くおすすめします。
ポイント2:講師の実績と専門性を確認する
講師のプロフィールや肩書きだけで判断するのは危険です。重要なのは、その講師が自社の課題解決にどれだけ貢献できるか、その実績と専門性を深く確認することです。まず、自社の業種(製造業、建設業、運送業など)での講演実績があるかを確認しましょう。業界特有のリスクや慣習を理解している講師であれば、参加者も講演内容を自分事として捉えやすくなります。
具体的な確認方法としては、過去の講演動画や資料のサンプル提供を依頼することです。これにより、講師の話術や構成、内容のレベルを事前に把握できます。また、同業種の企業からの推薦状やお客様の声があれば、信頼性が高まります。もし提供が難しい場合でも、過去の講演先リストなどを見せてもらうことで、その講師がどのような企業で実績を積んできたのかを判断する材料になります。実際に問い合わせをする際には、これらの情報を積極的に求めてみてください。
さらに、講師が持つ資格や経歴も重要な判断材料です。例えば、元労働基準監督官であれば労働安全衛生法に関する深い知識と実務経験がありますし、安全コンサルタントとしての実務経験があれば、具体的な改善提案や現場指導のノウハウを持っているでしょう。「有名だから」「話が面白いから」という理由だけで講師を選ぶのではなく、自社の抱える課題に直結する専門性や、実践的な知見を持っているかという観点で評価することが、失敗を避ける鍵となります。特に、現場の特定の課題(例えば、特定の機械操作におけるヒューマンエラー防止など)に焦点を当てたい場合は、その分野に特化した専門家を選ぶことで、より深い学びと具体的な解決策が期待できます。
ポイント3:講演内容が「現場で使えるか」を見極める
安全大会の講演の価値は、その場限りの感動や理解で終わるのではなく、現場での具体的な行動変容や実践につながるかどうかで決まります。講師選定においては、講演内容が「現場で使える」ものになっているかを以下の3つの視点から見極めることが重要です。
第一に、講演内容に具体的な手順、チェックリスト、ツールといった「行動の拠り所」となるものが含まれているかを確認します。例えば、危険予知活動(KY活動)/危険予知訓練(KYT)をテーマにするのであれば、具体的なKYシートの記入例や、危険源を見つけるための思考フレームワークが提示されるか、といった点です。抽象的な安全意識の向上だけでなく、明日から現場でどのように行動すれば良いのかが明確になるようなコンテンツが求められます。
第二に、一方的な講義だけでなく、参加者が自分事として考えるためのワークショップやグループディスカッションが組み込まれているかという点です。受動的に聞くだけの講演では、内容の定着が難しくなりがちです。参加者が自ら考え、意見を交換する場があることで、理解が深まり、実践への意欲も高まります。講師が、参加者の発言を引き出し、活発な議論を促すファシリテーション能力を持っているかも重要な要素です。
第三に、講演後の行動定着を支援するフォローアップ(例:現場巡回指導、後日のQ&Aセッション、継続的な情報提供など)の提供が可能かどうかも確認しましょう。安全大会は「点」のイベントではなく、継続的な安全文化醸成のための「線」の一部であるべきです。講師が単発の講演だけでなく、その後の行動変容というゴールまで伴走してくれるようなサポート体制を持っているか、あるいは提案できるかを見極めることで、講演の効果を最大限に引き出すことができます。これらの視点から、講演内容が本当に現場の安全レベル向上に貢献できるか、多角的に評価してみてください。
現場が変わる!参加者の心に響く講演テーマ例

これまでの講師選びのポイントを踏まえ、具体的にどのようなテーマの講演が効果的なのか、実例をご紹介します。もちろん、自社の課題や目的に合わせてテーマを選ぶことが最も重要です。ここでは、マンネリ化しがちな安全大会を活性化させ、現場に変化をもたらすためのヒントとして、以下の4つのテーマを簡潔にご紹介します。
これらのテーマは、単なる知識伝達に終わらず、参加者の心に響き、日々の業務における行動変容を促す可能性を秘めています。
テーマ1:ヒューマンエラーと安全行動心理学
「注意不足」「確認不足」といった言葉で片付けられがちなヒューマンエラーですが、その発生メカニズムを科学的に解き明かすテーマは、参加者の納得感を高め、深い理解を促します。人はなぜミスを犯すのか、その背景にある認知バイアスや思い込み、疲労やストレスといった心理的要因が安全行動にどう影響するのかを、心理学的な観点から具体的に説明する講演は、自己理解を深めるきっかけにもなります。
さらに、エラーを個人の資質の問題として終わらせるのではなく、「人間はミスをする生き物である」という前提に立ち、ミスが発生しにくい作業環境や手順(フールプルーフ、フェイルセーフ)をどのように構築していくべきか、具体的な対策に落とし込むことが重要です。講演を通じて、参加者が自らの職場に潜むヒューマンエラーの要因を特定し、改善策を考えるきっかけを提供することで、より実践的な安全対策へとつながるでしょう。
テーマ2:リアルな労災事例から学ぶ再発防止策
実際に発生した労働災害の事例を基に、その原因と具体的な再発防止策を学ぶテーマは、参加者に強いインパクトを与えます。単に悲惨な事故の話で注意喚起するだけでなく、なぜその事故は防げなかったのか、背景にある組織的な問題や、軽視されていた小さなリスクを多角的に分析する視点が重要です。たとえば、一見個人的なミスに見えても、その裏に潜む設備不良、手順の不明確さ、人員不足、コミュニケーション不足といった組織的な課題に焦点を当てることで、より深い学びが得られます。
このような事例分析は、参加者が「これは自分の職場でも起こり得たかもしれない」と自分事として捉え、自職場の潜在的なリスクを再点検する貴重な機会となります。具体的な教訓に満ちた事例を共有し、参加者自身が「もし自分の職場で同じことが起きたらどうするか」を考えるワークショップなどを組み合わせることで、受動的な聴講に終わらず、現場の安全意識と具体的な行動変容を促進する価値ある講演となるでしょう。
テーマ3:安全な職場を作るコミュニケーション術
職場の安全性は、最新技術や厳格なルールだけでなく、日々のコミュニケーションの質に大きく左右されます。「危ない」と感じた時に誰もが遠慮なく指摘できる心理的安全性は、潜在的なリスクの早期発見に不可欠です。また、危険予知活動(KYK)を形骸化させず、実効性のあるものにするためには、参加者全員が主体的に意見を出し合えるファシリテーションスキルが求められます。指示や報告の漏れを防ぐ効果的な伝達方法や、ヒヤリハット情報を風通し良く共有する仕組みも、事故防止には欠かせません。
このようなコミュニケーション技術に焦点を当てた講演は、人間関係の円滑化だけでなく、職場の安全レベルを底上げする上で極めて重要です。具体的な会話術や情報共有のフレームワークを学ぶことで、参加者は日々の業務の中で実践できる具体的なスキルを習得できます。結果として、風通しの良い職場風土が醸成され、それが最大の安全対策となることを、講演を通じて深く理解してもらえるでしょう。
テーマ4:健康管理・メンタルヘルスと安全
従業員の心身の健康状態が、安全な作業遂行に不可欠であるという視点を提供するテーマは、現代の安全大会においてますます重要性を増しています。睡眠不足や過度なストレス、過労は注意力の低下や判断ミスに直結し、それが労働災害の原因となるメカニズムを具体的に解説します。参加者には、自身の健康状態を把握し、適切にケアするセルフケアの重要性を伝えます。日々の生活習慣が安全にどう影響するかを理解することで、主体的な健康管理への意識が高まるでしょう。
また、管理者向けには、部下の心身の不調のサインに早期に気づき、適切に対応するためのラインケアの知識も有益なテーマとなります。健康管理を単なる福利厚生としてではなく、安全文化の一部として位置づける現代的なアプローチは、従業員のエンゲージメント向上にも寄与します。心身ともに健康な状態で業務に取り組める環境を整えることが、結果的に職場の安全性を高めるというメッセージを伝えることで、多角的な安全対策への理解を深めることができるでしょう。
安全大会の講師を依頼する具体的な流れ

安全大会の企画担当者様にとって、心に響く講演を実現してくれる講師を見つけることは、大会を成功させる上で非常に重要です。しかし、「良い講師を見つけても、その後の段取りが分からない」「どこから手をつけていいのか迷ってしまう」というお悩みを抱えている方もいらっしゃるかもしれません。
このセクションでは、安全大会の目的設定から、講師の選定、依頼、そして開催後の効果測定に至るまでの一連のプロセスを、5つのステップに分けて具体的に解説していきます。このガイドを参考に、誰でも迷うことなく講師依頼を進め、参加者の行動変容を促す、実りある安全大会を実現できるようになるでしょう。
Step1:安全大会の目的・予算・日程を決める
講師探しを始める前に、まずは安全大会の「目的」「予算」「日程」という3つの要素を明確にすることが肝心です。前述したように、「安全意識を高める」といった漠然とした目的ではなく、「ヒヤリハット報告件数を20%増加させる」など、具体的なゴールを設定し直してください。この明確な目的が、講師選定のブレない軸となります。
次に、予算の確保です。講師料は、講師の知名度や実績、講演時間によって大きく異なります。講演料だけでなく、交通費、宿泊費、場合によっては資料作成費など、全て含めた総予算を事前に確保し、上長への承認を得ておきましょう。
最後に日程ですが、特に毎年7月1日〜7日の「全国安全週間」は、多くの企業が安全大会を開催するため、人気講師のスケジュールはすぐに埋まってしまいます。そのため、候補日を複数設定し、遅くとも半年前には講師探しを始めるなど、早めの準備を心がけることがスムーズな講師依頼につながります。
Step2:講師を探す(講師派遣会社、Web検索など)
目的、予算、日程が定まったら、いよいよ講師探しです。講師を探す方法はいくつかありますが、それぞれにメリット・デメリットがありますので、自社の状況に合わせて選びましょう。
一つは、講師派遣会社(エージェント)を利用する方法です。希望するテーマや予算、業種を伝えれば、条件に合った講師を複数リストアップしてくれるため、手間をかけずに効率よく候補者を探せるのがメリットです。一方で、仲介手数料が発生する点や、講師派遣会社が抱える講師の中からしか選べないという制約もあります。
もう一つは、Web検索を活用して直接講師に問い合わせる方法です。「安全大会 講師」「建設業 安全講演」などのキーワードで検索すれば、多くの講師のウェブサイトやプロフィールが見つかります。この方法では、より幅広い選択肢の中から講師を探せますが、玉石混交の情報を自力で判断し、優良な講師を見極める眼力が必要です。また、業界団体からの推薦や、同業他社からの紹介も、信頼できる講師を見つける有効な手段となるでしょう。
Hitonova(ヒトノバ)では、テーマや予算、業種に合う講師を効率よく探すことができます。
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Step3:問い合わせと打ち合わせ
候補となる講師が見つかったら、まずは問い合わせを行い、その後の打ち合わせで詳細を詰めていきます。最初の問い合わせの際には、安全大会の目的、参加対象者(人数、役職、職種など)、開催日時、場所、そしておおよその予算といった基本的な情報を明確に伝えることが重要です。これにより、講師側も自社のニーズを把握しやすくなります。
その後の打ち合わせは、講師が自社の課題をどれだけ深く理解してくれるかを見極める重要な機会です。事前に準備した質問リストに基づき、講演内容が自社の特定の課題にどのようにカスタマイズされるのか、具体的な事例を交えて説明を求めましょう。この段階で、講師の専門性や、参加者に伝わりやすい話し方をするか、人柄やコミュニケーションの取りやすさなども確認できます。講演内容だけでなく、講師との相性も、大会の成功を左右する大切な要素になります。
Step4:契約と当日に向けた準備
講師と講演内容が決まったら、契約手続きへと進みます。契約書には、講演日時、時間、場所、講演料、支払い条件、キャンセル規定といった重要な事項を漏れなく明記し、双方で内容を十分に確認することが不可欠です。書面での取り交わしは、万が一のトラブルを避けるためにも非常に重要となります。
契約が完了したら、安全大会当日までの準備を進めます。講師には、自社の安全に関する資料(過去の事故事例、ヒヤリハット報告書、安全活動の取り組みなど)を事前に共有し、講演内容がより現場に即したものになるよう、すり合わせを再度行うことを推奨します。また、大会運営側としては、プロジェクターやスクリーン、マイク、音響設備といった機材が問題なく使用できるかを確認し、必要に応じてリハーサルを実施しましょう。参加者への事前告知も忘れずに行い、大会への期待感を高める工夫も効果的です。
Step5:開催後のアンケートと効果測定
安全大会は、開催して終わりではありません。講演の成果を最大化し、次へとつなげるためには、開催後のアンケートと効果測定が非常に重要です。当日の参加者アンケートでは、単なる「満足度」だけでなく、「講演で最も印象に残ったこと」や「明日から現場で実践しようと思うこと」といった具体的な記述を求める質問項目を設けることで、参加者の具体的な行動意欲や理解度を測ることができます。
さらに、より長期的な視点での効果測定も重要です。大会の目的として設定したKPI(ヒヤリハット件数の変化、安全パトロールの実施率、特定の安全手順の遵守率など)を、3ヶ月後、半年後といったタイミングで追跡し、定量的に評価しましょう。この測定結果は、安全大会が現場の安全レベル向上にどれだけ貢献したかを上層部に報告する際の根拠となります。また、次年度の安全大会の企画立案や、さらなる安全対策の改善に活かす貴重なデータとして活用していくことが、真に現場が変わる安全大会を実現する鍵となります。
【FAQ】安全大会の講師選びに関するよくある質問

安全大会の講師選びは、企画担当者にとって多くの疑問や不安がつきまとうものです。ここでは、記事の本文で触れきれなかった、より実践的な疑問にお答えしていきます。実際に講師を選ぶ段階で担当者が抱きやすい具体的な質問を取り上げ、それぞれの解決策や考え方を分かりやすく解説します。
Q1. 講師への講演料の相場はどのくらいですか?
講師への講演料は、その講師の知名度、実績、専門性、講演時間、そして講演内容のカスタマイズ度合いによって大きく異なります。一概には言えませんが、一般的な相場としては、以下のような目安があります。
まず、地域に根差した専門家や、特定の業界に特化したコンサルタントであれば、講演1回あたり10万円から30万円程度が目安となることが多いでしょう。この価格帯では、基本的な安全衛生の知識や、業界特有の事例に基づいた実践的な内容が期待できます。次に、全国的に活動している安全コンサルタントや、特定の分野で著名な研究者、元労働基準監督官などの経験豊富な講師の場合、30万円から50万円程度が相場となることがあります。この価格帯では、より深い専門知識に加え、参加者の心に響く巧みな話術や、ワークショップ形式を取り入れた参加型講演が期待できるでしょう。さらに、テレビ出演などのメディア露出が多い著名人や、非常に専門性の高いテーマを扱う講師、あるいは企業規模の大きい大会で複数回の講演を依頼する場合などは、50万円以上の講演料が発生することもあります。
講演料を決める際には、金額だけでなく、その費用に見合う効果が得られるかという費用対効果の視点が非常に重要です。また、講演料とは別に、交通費や宿泊費、資料作成費などが別途必要となることが一般的ですので、総額でいくらになるのかを事前にしっかりと確認するようにしてください。
Q2. オンライン形式の安全大会でも講師は依頼できますか?
はい、ご安心ください。新型コロナウイルス感染症のパンデミックをきっかけに、オンライン形式でのイベント開催が急速に普及しました。現在では、多くの講師がオンライン講演に対応しており、安全大会においてもオンライン形式での開催は一般的になっています。
オンライン形式の安全大会には、いくつかのメリットとデメリットがあります。メリットとしては、まず遠隔地の事業所や支店からも多数の従業員が同時に参加できるため、交通費や会場費といったコストを削減できる点が挙げられます。また、講師の移動負担が少ないため、多忙な人気講師を招聘しやすくなる可能性もあります。一方、デメリットとしては、対面形式に比べて参加者の集中力が持続しにくいという課題があります。パソコンやスマートフォンの画面越しでは、どうしても一体感が生まれにくく、参加者が「ながら聞き」をしてしまうリスクも考えられます。そのため、オンライン形式で講師を選ぶ際には、オンラインでの講演経験が豊富で、参加者を飽きさせない工夫(例えば、チャット機能を使った質疑応答、リアルタイムアンケートや投票機能の活用、短い休憩を挟むなど)に長けているかを確認することが重要です。事前にオンラインでのデモンストレーションを依頼するなどして、講演の進め方やツールの活用方法を確認することをおすすめします。
オンラインの場合は、①双方向設計(投票・チャット)②画面資料の見やすさ③間の取り方(休憩・テンポ)を確認しましょう。
Q3. 社内の人間が講師を務めるのはどうですか?
社内の人間が安全大会の講師を務めることは、状況によっては非常に有効な選択肢です。メリットとしては、まず自社の文化、歴史、具体的な現場の状況や課題に精通しているため、非常に説得力のある実践的な話ができる点が挙げられます。外部講師では知り得ない細かなニュアンスや、従業員が共感しやすい具体的な事例を盛り込むことができるでしょう。また、外部講師に依頼する費用がかからないため、コストを大幅に抑えることができるのも大きな利点です。
しかし、デメリットも無視できません。長年同じ職場で働いていると、参加者が「いつもの話」「聞き慣れた話」と捉えてしまい、新鮮さや緊張感に欠ける可能性があります。話の内容が一般論に終始したり、特定の部署や個人の意見に偏ってしまったりするリスクも考えられます。また、安全に関する最新の知見や、他社の先進的な取り組みなど、外部からの新しい視点や刺激が得られないという側面もあります。社内講師は、例えば特定の事故事例の共有や、新しい安全手順の説明など、具体的な情報伝達を目的とする場合には非常に有効です。しかし、マンネリ化した安全大会を打破し、従業員の意識改革や行動変容を強く促したいと考えるのであれば、外部の専門家が持つ客観的な視点や、豊富な経験に基づいた知見を活用することが、より効果的であると言えるでしょう。社内講師と外部講師のどちらを選ぶかは、安全大会の具体的な目的と、期待する効果によって使い分けるのが賢明です。
まとめ:良い講師選びが、現場の安全文化を創る第一歩

安全大会は、単なる年に一度の行事ではなく、職場の安全文化を継続的に醸成していくための、非常に重要なプロセスの一部です。この記事では、参加者の心に響き、具体的な行動変容を促すような安全大会を実現するための講師選びについて詳しく解説してきました。
本記事でご紹介した「目的の明確化」「実績と専門性の確認」「現場での実用性」という3つのポイントは、属人的な判断に陥りがちな講師選定において、確かな基準となります。これらのポイントを押さえることで、貴社の安全大会は、一時的な啓発活動で終わることなく、現場の安全レベルを恒常的に高める強力な原動力となるでしょう。
適切な講師を選定し、その講演を最大限に活用するという真摯な取り組みは、会社が従業員の安全を最優先に考えているという、何よりも強力なメッセージとして伝わります。これは、従業員一人ひとりの命と健康を守るための最も確実な投資であり、ひいては企業の持続的な成長を支える盤石な基盤を築くことにもつながるのです。ぜひ、この記事を参考に、貴社の安全文化をさらに発展させる講師選びの一助としてください。
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講師選びでお悩みの方には、目的・ご予算に合った講師をご提案します。
気になる講師のスケジュールや講演料についても、お気軽にお問い合わせください。
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恐れ入りますが電話かkouen@scg-inc.jpまでメールでお問い合わせください。

